歌曲:《夢十夜》
歌手:平野綾
专辑:あの声優が読むあの名作
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《夢十夜》歌词:
[00:05.79]夢十夜
[00:10.71]夏目漱石
[00:13.77]第一夜
[00:17.61]こんな夢を見た。
[00:20.57]腕組をして枕元に坐っていると、
[00:24.71]仰向に寝た女が、
[00:27.76]静かな声でもう死にますと云う。
[00:33.19]女は長い髪を枕に敷いて、
[00:37.14]輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。
[00:44.43]真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、
[00:49.91]唇の色は無論赤い。
[00:53.71]とうてい死にそうには見えない。
[00:57.51]しかし女は静かな声で、
[01:00.34]もう死にますと判然云った。
[01:06.37]自分も確にこれは死ぬなと思った。
[01:11.51]そこで、そうかね、もう死ぬのかね、
[01:17.34]と上から覗き込むようにして聞いて見た。
[01:23.47]死にますとも、
[01:26.15]と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。
[01:32.55]大きな潤のある眼で、
[01:35.8]長い睫に包まれた中は、
[01:38.37]ただ一面に真黒であった。
[01:42.31]その真黒な眸の奥に、
[01:45.42]自分の姿が鮮に浮かんでいる。
[01:51.2]自分は透き徹るほど深く見えるこの黒眼の色沢を眺めて、
[01:58.17]これでも死ぬのかと思った。
[02:03.37]それで、ねんごろに枕の傍へ口を付けて、
[02:09.1]死ぬんじゃなかろうね、
[02:11.91]大丈夫だろうね、とまた聞き返した。
[02:17.97]すると女は黒い眼を眠そうに睁たまま、
[02:23.33]やっぱり静かな声で、
[02:26.57]でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云った。
[02:35.93]じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、
[02:42.50]見えるかいって、
[02:45.1]そら、そこに、写ってるじゃありませんかと、
[02:50.5]にこりと笑って見せた。
[02:53.33]自分は黙って、顔を枕から離した。
[02:59.43]腕組をしながら、
[03:01.96]どうしても死ぬのかなと思った。
[03:07.13]しばらくして、女がまたこう云った。
[03:12.37]「死んだら、埋めて下さい。
[03:15.15]大きな真珠貝で穴を掘って。
[03:18.51]そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。
[03:25.65]そうして墓の傍に待っていて下さい
[03:30.83]また逢いに来ますから」
[03:35.45]自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。
[03:41.35]「日が出るでしょう。
[03:44.4]それから日が沈むでしょう。
[03:47.75]それからまた出るでしょう、
[03:50.97]そうしてまた沈むでしょう。
[03:55.35]――赤い日が東から西へ、
[03:59.53]東から西へと落ちて行くうちに、
[04:03.50]――あなた、待っていられますか」
[04:08.73]自分は黙って首肯いた。
[04:12.39]女は静かな調子を一段張り上げて、
[04:18.34]「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
[04:27.71]「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。
[04:34.80]きっと逢いに来ますから」
[04:39.01]自分はただ待っていると答えた。
[04:44.01]すると、黒い眸のなかに鮮に見えた自分の姿が、
[04:51.31]ぼうっと崩れて来た。
[04:54.85]静かな水が動いて写る影を乱したように、
[04:59.25]流れ出したと思ったら、
[05:02.38]女の眼がぱちりと閉じた。
[05:06.37]長い睫の間から涙が頬へ垂れた。
[05:12.68]――もう死んでいた。
[05:15.89]自分はそれから庭へ下りて、
[05:19.42]真珠貝で穴を掘った。
[05:22.05]真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。
[05:28.53]土をすくうたびに、
[05:30.75]貝の裏に月の光が差してきらきらした。
[05:36.47]湿った土の匂もした。
[05:39.73]穴はしばらくして掘れた。
[05:42.77]女をその中に入れた。
[05:46.99]そうして柔らかい土を、
[05:50.79]上からそっと掛けた。
[05:53.75]掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。
[06:01.33]それから星の破片の落ちたのを拾って来て、
[06:06.7]かろく土の上へ乗せた。
[06:09.31]星の破片は丸かった。
[06:13.10]長い間大空を落ちている間に、
[06:16.0]角が取れて滑かになったんだろうと思った。
[06:21.51]抱き上げて土の上へ置くうちに、
[06:25.66]自分の胸と手が少し暖くなった。
[06:31.91]自分は苔の上に坐った。
[06:35.59]これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、
[06:41.33]腕組をして、丸い墓石を眺めていた。
[06:47.41]そのうちに、女の云った通り日が東から出た。
[06:55.31]大きな赤い日であった。
[06:58.71]それがまた女の云った通り、やがて西へ落ちた。
[07:05.55]赤いまんまでのっと落ちて行った。
[07:10.71]一つと自分は勘定した。
[07:17.01]しばらくするとまた唐紅の天道がのそりと上って来た。
[07:24.19]そうして黙って沈んでしまった。
[07:28.75]二つとまた勘定した。
[07:34.75]自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、
[07:43.1]赤い日をいくつ見たか分らない。
[07:47.01]勘定しても、勘定しても、
[07:49.93]しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。
[07:57.31]それでも百年がまだ来ない。
[08:02.81]しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、
[08:08.24]自分は女に欺されたのではなかろうかと思い出した。
[08:15.16]すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。
[08:25.85]見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。
[08:34.21]と思うと、すらりと揺ぐ茎の頂に、
[08:38.57]心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、
[08:45.49]ふっくらと弁を開いた。
[08:50.01]真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。
[08:58.31]そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、
[09:05.11]花は自分の重みでふらふらと動いた。
[09:10.83]自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、
[09:16.92]白い花弁に接吻した。
[09:21.29]自分が百合から顔を離す拍子に思わず、
[09:26.42]遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
[09:36.03]「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。
[by:Yttrium_釔]
[00:05.79]梦十夜
[00:10.71]夏目漱石
[00:13.77]第一夜
[00:17.61]做了一个这样的梦。
[00:20.57]我抱着胳膊,坐在女人枕边。
[00:24.71]仰面躺着的女人,
[00:27.76]温柔地说着:我将要死了。
[00:33.19]女人的长发铺散在枕头上,
[00:37.14]轮廓优美的瓜子脸静静躺在上面,
[00:44.43]白皙的脸颊泛着温热的血色,
[00:49.91]双唇当然也鲜红欲滴。
[00:53.71]怎么看都不像将死之人的样子。
[00:57.51]但是女人却温柔清晰地,
[01:00.34]断定了自己的死亡。
[01:06.37]我也很确信她的命不久矣。
[01:11.51]“是吗,你就要死了吗?”
[01:17.34]我于是俯视着她的脸再次问道。
[01:23.47]“一定会死的。”
[01:26.15]女人这样说着,睁大双眼。
[01:32.55]在那睁大的湿润双眸中,
[01:35.8]细长的睫毛中
[01:38.37]包裹着一片漆黑。
[01:42.31]而那漆黑的深处,
[01:45.42]鲜明的浮现着我的身姿。
[01:51.2]我眺望着这深邃无底的黑眸,
[01:58.17]思忖着:这模样真的会死吗?
[02:03.37]之后恳切地靠近枕头:
[02:09.1]“不会死吧?
[02:11.91]没有事的吧?”再次问道。
[02:17.97]女人尽力张开困倦的双眸,
[02:23.33]依旧温柔地说:
[02:26.57]“可是,我还是会死的,没有办法呀。”
[02:35.93]“那,你看得到我的脸吗?”
[02:42.50]这样不断问着。
[02:45.1]“看呀,不是在那里映照着吗?”
[02:50.5]她嫣然一笑。
[02:53.33]我沉默了,从枕边移开,
[02:59.43]双手抱胸,
[03:01.96]依旧思索着:她真的非死不可吗?
[03:07.13]过了一会,女人又开口。
[03:12.37]“我死之后,请你将我安葬。
[03:15.15]用大真珠贝壳挖一个深坑,
[03:18.51]再用天河降落的星尘碎屑作为墓碑。
[03:25.65]然后请你在墓旁守候,
[03:30.83]我会回来看你的。”
[03:35.45]我问她,什么时候回来。
[03:41.35]“太阳会升起吧,
[03:44.4]又会落下吧。
[03:47.75]然后再升起吧,
[03:50.97]然后再落下吧。
[03:55.35]……当红日从东向西,
[03:59.53]从东方升起又从西方落下时,
[04:03.50]……你能,为我守候吗?”
[04:08.73]我无言地点头。
[04:12.39]女人提高原本的声调:
[04:18.34]“请你守候一百年。”又毅然决然地说道,
[04:27.71]“一百年,请你坐在我的墓旁,
[04:34.80]我一定会回来看你的。”
[04:39.01]我回答,一定会守候着。
[04:44.01]话音犹在,黑眸里鲜明的我的身姿
[04:51.31]兀然崩碎了。
[04:54.85]像静止水面泛起波澜破碎倒影一般,
[04:59.25]正感到自己的影像要随泪水溢出时,
[05:02.38]女人的双眸闭上了。
[05:06.37]长长睫毛间淌出的泪珠垂落在脸颊上
[05:12.68]……她已经死了。
[05:15.89]我来到庭院内,
[05:19.42]用一个真珠贝壳开始挖坑。
[05:22.05]一个大而光滑,边缘尖锐的真珠贝壳。
[05:28.53]掘土时,
[05:30.75]贝壳里映照着月光,闪闪烁烁。
[05:36.47]四周逸散着湿润泥土的味道。
[05:39.73]不久之后,深坑挖好了。
[05:42.77]我把女人放进去,
[05:46.99]再将柔软细土,
[05:50.79]轻轻覆上。
[05:53.75]覆土时,月光照耀在贝壳上。
[06:01.33]然后我拾来散落在地的星尘碎片,
[06:06.7]轻轻放在泥土上。
[06:09.31]碎片是圆的。
[06:13.10]或许是在漫长的坠落中
[06:16.0]被磨去了棱角吧,这样想着。
[06:21.51]把它们抱起搁在土堆上时,
[06:25.66]胸口手心,都感到暖意。
[06:31.91]我坐在青苔上,
[06:35.59]从今往后,就要这样等待一百年啊。我这样想着,
[06:41.33]抱着胳膊眺望着圆形的墓碑。
[06:47.41]这之后,太阳如女人所说的从东方升起了。
[06:55.31]是个又大又红的太阳。
[06:58.71]再之后,太阳又如女人所说的,从西方落下了。
[07:05.55]赤红的圆静谧地落下了。
[07:10.71]第一天,我数着。
[07:17.01]这之后 ,太阳又晃晃悠悠地升起。
[07:24.19]之后再默然下沉。
[07:28.75]第二天,我数着。
[07:34.75]这样默默数着数着,
[07:43.1]我已经忘记到底见了几个红日。
[07:47.01]数着,数着,
[07:49.93]无穷无尽的红日依旧不停地从我头顶越过。
[07:57.31]一百年还没有到。
[08:02.81]到头来,眺望着青苔丛生的圆形墓碑,
[08:08.24]是不是被女人欺骗了,我这样想到。
[08:15.16]眺望着,墓碑下伸出一条青茎,伸向我的方向。
[08:25.85]眨眼之间,它伸长到我胸前,停了下来。
[08:34.21]晃神间,摇摇晃晃的瘦长青茎顶部,
[08:38.57]微微歪头的一只细长蓓蕾抵着心口,
[08:45.49]欣然绽放。
[08:50.01]洁白的百合散发的彻骨清香萦绕在鼻尖。
[08:58.31]从遥不可触的空际,落下的一滴露水,
[09:05.11]打在花上,使其悠悠摇晃起来。
[09:10.83]我垂头,和带着冰冷露水的
[09:16.92]洁白花瓣亲吻。
[09:21.29]情不自禁地在从百合中移开脸时仰头
[09:26.42]望见远方的空际,一颗闪烁的拂晓星辰孤单闪烁着。
[09:36.03]“一百年已经到了啊。”我此时恍然。