歌曲:《ヴィヨンの妻》
歌手:平野綾
专辑:あの声優が読むあの名作
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《ヴィヨンの妻》歌词:
[00:13.96]その日も私は、うわべは、やはり同じ様に、坊やを背負って、お店の勤めに出かけました。
[00:24.42]中野のお店の土間で、夫が、酒のはいったコップをテーブルの上に置いて、ひとりで新聞を読んでいました。
[00:35.35]コップに午前の陽の光が当って、きれいだと思いました。
[00:42.47]「誰もいないの?」
[00:45.32]夫は、私のほうを振り向いて見て、
[00:50.38]「うん。おやじはまだ仕入れから帰らないし、ばあさんは、
[00:57.16]ちょっといままでお勝手のほうにいたようだったけど、いませんか?」
[01:02.60]「ゆうべは、おいでにならなかったの?」
[01:06.97]「来ました。椿屋のさっちゃんの顔を見ないとこのごろ眠れなくなってね、
[01:14.40]十時すぎにここを覗いてみたら、いましがた帰りましたというのでね」
[01:21.07]「それで?」
[01:24.14]「泊っちゃいましたよ、ここへ。雨はざんざ降っているし」
[01:30.12]「あたしも、こんどから、このお店にずっと泊めてもらう事にしようかしら」
[01:37.52]「いいでしょう、それも」
[01:40.88]「そうするわ。あの家をいつまでも借りてるのは、意味ないもの」
[01:47.81]夫は、黙ってまた新聞に眼をそそぎ、
[01:54.03]「やあ、また僕の悪口を書いている。
[01:59.80]エピキュリアンのにせ貴族だってさ。こいつは、当っていない。
[02:05.86]神におびえるエピキュリアン、とでも言ったらよいのに。
[02:10.29]さっちゃん、ごらん、ここに僕のことを、人非人なんて書いていますよ。
[02:18.97]違うよねえ。僕は今だから言うけれども、去年の暮にね、
[02:25.24]ここから五千円持って出たのは、さっちゃんと坊やに、
[02:29.84]あのお金で久し振りのいいお正月をさせたかったからです。
[02:34.64]人非人でないから、あんな事も仕出かすのです」
[02:39.83]私は格別うれしくもなく、
[02:45.47]「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」
[02:55.46]と言いました。
[by:樱花树上没有名字的妖怪]
[00:13.96]那天我也依旧如往常一样,背着儿子去店里上班了。
[00:24.42]中野的店里,丈夫正一个人读着报纸,桌上放着一杯酒。
[00:35.35]清晨的阳光照射在玻璃杯上,很是好看。
[00:42.47]“没有人在吗?”我问。
[00:45.32]丈夫回过头来看我,
[00:50.38]说道:“嗯。老板去采买还没回来,
[00:57.16]老板娘刚刚好像还在厨房,现在不在吗?”
[01:02.60]我又问:“昨晚您没来这儿吗?”
[01:06.97]“来了。最近看不到椿屋的阿早的话,我都睡不着了。
[01:14.40]十点刚过的时候来这里瞧了一下,刚说要回去了呢……”
[01:21.07]“然后呢?”
[01:24.14]“就在这住了一晚,雨下得太大了。”
[01:30.12]“要不干脆我往后也住在这家店里吧。”
[01:37.52]“那也行啊。”
[01:40.88]“那就这么办吧。一直借住在那个家里也毫无意义。”
[01:47.81]丈夫又一声不吭地看着报纸,
[01:54.03]“哎呀,又在说我的坏话。
[01:59.80]说我是享乐主义的伪贵族,这家伙胡说八道。
[02:05.86]说我是畏惧神明的享乐主义者的话还差不多。
[02:10.29]阿早,你看看,这里写着我没有人性什么的,
[02:18.97]一派胡言!我现在跟你说吧,去年年底啊,
[02:25.24]之所以在这里拿走五千块,是为了让阿早你和儿子,
[02:29.84]用那些钱过一个久违的好年。
[02:34.64]我没人性的话,怎么会做那样的事。”
[02:39.83]我并没有多高兴,
[02:45.47]“没人性不也挺好的嘛。我们,只要能活着就好了呀。”
[02:55.46]我说道。